屋上青ざめた空と
放課後の躍る喧騒鳴びくスカート
またいだ金網後ろ手に
深く息を吸ってぎゅっと目を閉じた

どんな場所が待ってるかな
たった半歩先で

大人になる前に羽根をなくす前に
空の飛び方を忘れてしまう前に
過ぎる時間の中でうつろわずいられるなら
飛べるだろう飛べるだろう

はぐれた雲の一房は
やがて雨粒になって落ちるだけ
涙に似た一滴
そうやって消えていくなら悪くないな

なんとなく続くなら
なんとなく終わるだけ
太陽が眩しかったから
たったそれだけさ

夢から覚めないように魔法が解けないように
鏡の国がくすんで消えぬように
鈍色の景色に花束を飾るように
飛べるだろう飛べるだろう

今日は記念日
ただ何でもない日
二つ目の誕生日
お祝いをするの

大人になる前に羽根をなくす前に
空の飛び方を忘れてしまう前に
過ぎる時間の中でうつろわずいられるなら
飛べるだろう飛べるだろう

鈍色の景色に花束を飾るように
飛べるだろう飛べるだろう
すり抜け指をほどいた時
なまぬるい風が吹いて夏の匂いがした